2025/05/22 08:30
みなさま、こんにちは! 高48回寄付道チームです。
本日ご紹介するのは、今年初登場となるオリジナルグッズ「寄付道ペンダント」。
母校への愛が詰まった素敵なシルバーアクセサリーを制作してくださるのは、
彫刻家の望月菊磨(高16回)先輩です。

▲神奈川県の大磯アトリエにて
望月先輩は、東京藝術大学大学院修了作品でサロン・ド・プランタン賞を受賞。真鍮、ステンレススティール、アルミニューム、コールテン鋼、鉄といった素材を用いて多彩な作品を制作し、国内130カ所以上ものパブリック・アートを手がけるなど、幅広く活躍していらっしゃいます。
2023年の「寄付道オークション」に出品された「タモリカップ」のトロフィーを手がけたことでも知られています。
▲望月菊磨「輝・翔」(博多の森競技場)。とびうめ国体のメインシンボル
▲望月菊磨「知恵の箱」(横浜市中央図書館)
数々の彫刻作品が生み出される場は、神奈川県の大磯アトリエ。
今回の「寄付道ペンダント」もこちらで一つひとつ心を込めて作られています。
▲さまざまな工具が並ぶ大磯アトリエ。迫力満点の大型作品も!
「寄付道ペンダント」の制作工程を大公開!
それではさっそく、「寄付道ペンダント」の制作工程をお届けしていきましょう。
制作工具はこちら。このほかに金床(かなとこ)、万力、ドリル、硫酸やフラックスなど、さまざまな道具や処理剤が使用されます。
▲糸ノコやバーナーなど、工具がずらり!
「寄付道ペンダント」の素材は、銀92.5%のスターリングシルバー。
まずはシルバーでペンダントヘッドの原型を作り、この原型をもとにロストワックス法(または蝋型鋳造、精密鋳造)*と呼ばれる方法を使って、専門工場で鋳造が行われます。
写真下のペンダントヘッドにご注目ください!
裏面の丸くポコッと出ている部分、おわかりになりますでしょうか?
これは石膏の鋳型にシルバーを流し込んだときの跡で、
「湯道(ゆみち)」と呼ばれるそうです。
▲「寄付道ペンダント(久遠の幸)」のゴム型と、鋳造されたペンダントヘッド
この「湯道」をヤスリできれいに削り、裏面をなめらかにしていきます。
ヤスリがけをした後(写真左)と、湯道を削る前。

▲左は、裏面のでっぱりがなくなって、つるりと平らになりました!
筑高の校章と「銀」「菊」の刻印
ここで、ペンダントヘッドの裏面に筑高の校章、そして「銀」と「菊」の刻印を打ちます。
「銀」「silver」は製品が銀で作られていることを示す刻印。
「菊」は望月菊磨先輩のお名前の一文字ですね!
▲校章の刻印棒(写真左)と、3つの刻印が施されたペンダントヘッド裏面
ペンダントヘッドにチェーンを通す部品を作る
こうしてできた小さな輪をペンダントヘッドの穴に通し、輪の切れ目をロウ付けして、はずれないように加工します。
▲チェーンを通すための輪がつきました!
古美 (ふるび)仕上げで深みとぬくもりをプラス
ここからは、「寄付道ペンダント」をあたたかい風合いに仕上げるプロセスです。
ガラス容器にペンダントヘッドを入れてお湯を注ぎ、硫化剤を入れるとみるみる黒く変色……!
古美色のシルバーアクセサリーは、時の流れを閉じ込めたような深みある美しさが魅力です。
▲黒く変色したペンダントヘッド
▲仕上げに、重曹で磨き洗い
チェーンを通したら、ついに完成です!
▲「寿(ことほぎ)て」(写真中央)と「久遠の幸」
「寄付道ペンダント」は望月先輩の手で一つひとつ丁寧に作られた、会場限定・数量限定のアイテムです。
本商品の収益はすべて筑紫丘創立100周年記念事業に寄付され、在校生の支援に役立てられます。
技術とまごころ、そして母校への想いがこめられた特別な一品をぜひ完売前に手に入れてくださいね!
*ロストワックス法
①シルバーの原型を何層ものゴムで挟んで圧力と熱を加え、ゴム型を作成。固まったゴム型をカットして原型を取り出したら、今度は溶かしたロウ(ワックス)を流し入れて、原型と同じ形の蝋型を制作。
②蝋型を石膏で覆い固め、湯道を作る。石膏を逆さまにして加熱すると、湯道からロウが溶け出して蝋型の形の空洞が残った「鋳型」が完成。
③鋳型の空洞に、溶かしたシルバーを流し込んで冷却。石膏を割ると、原型と同じ形をしたペンダントヘッドが取り出せる。
■寄付道ペンダント ¥25,000
筑紫丘高校創立100周年を再来年に控え、
筑紫丘応援歌の歌詞にちなんだ全2種がラインナップ。
* 玄海の波を思わせる躍動感たっぷりの「久遠の幸」
* 夢と希望あふれる節目を祝した「寿(ことほ)ぎて」
深みのあるシルバーが胸元に上品な輝きを添えてくれます。
賀寿のお祝い品など、特別な日のギフトにもおすすめです!
望月菊磨プロフィール
1945年福岡県生まれ。64年に筑紫丘高校を卒業後、71年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。同大学大学院修了作品《META SHOCK》でサロン・ド・プランタン賞を受賞。真鍮、ステンレススティール、アルミニューム、コールテン鋼、鉄といった素材を用いて、多彩な作品を制作。国内130カ所を超えるパブリック・アートを手がけ、自然とコラボレーションした彫刻作品も話題。
▲「タモリカップ」のトロフィーは落札者のご厚意により、筑紫丘高校に展示されています